2022年度入試より、北海道の公立高校入試は大きく変わりました。2023年現在の500点満点入試が2回終了時点ではその傾向は全く読めません。
2022年度入試と2023年度入試を比較しますと平均点が53点ほど下がっています。500点に対して53点も下がっているので、相当難易度が上がったと言ってよいでしょう。
毎年このホームページでは入試傾向と平均点をまとめて掲載していこうと思います。
2022年度入試(500点満点初年度)と2023年度入試の平均点を比較してみました
国 | 数 | 社 | 理 | 英 | |
2022 | 70.3 | 48.1 | 53.5 | 55.3 | 56.1 |
2023 | 54.3 | 47.7 | 41.5 | 35.6 | 51.1 |
国語と社会と理科の平均点が大幅に下がっています。全体を見ても平均点が上がっている科目がありません。500点満点のテスト導入2年目の2023年度入試に関しては相当制作側も力を入れて作ったことが伺えます。また、入試が終わったあと、「絶対落ちた・・・」と落ち込んだ生徒さんも相当数いると思われます。
科目別の入試傾向
国語の入試傾向
2023年度入試の一番の変化はやはり「小説の出題がなくなった」ことです。国語で唯一得点できるとしたらこの小説だったという生徒さんは多いです。論説、評論は苦手だけど、感情移入しやすい小説なら・・・と思っていた生徒は出鼻をくじかれたことでしょう。また、問題の中に400字程度の資料が盛り込まれており、文章量が多く、根気強く読み解く力が試される入試となりました。また、100字の記述が出されるなど、普段いかに国語をきちんと学習しているかが試されています。
数学の入試傾向
難易度は毎年ほぼ変わらず推移しています。計算分野での難易度はほぼ変わりませんが、思考力系の問題の配点割合が若干高くなっており、今後は思考力系の問題にどう対応していくかがポイントとなるでしょう。思考力系の問題の多くは規則性が絡んだ問題や図・表を読み取りながら考えていく問題です。数学の基礎知識はもちろん、ここでも国語の力を活かす部分が出てきています。最近の大学入試共通テストの傾向に非常に似ており、思考力を養う学習は今後の肝となることでしょう。
社会の入試傾向
2023年度入試では平均点がグンと下がりました。社会といえば暗記だった時代は終わり、その基礎知識を活かして文章や資料を読み解いて正確に判断し答える力が必要となりました。つまり社会にも思考力を試す問題が出題されているということになります。記述の出題やマイナーな語彙の出現があり、2023年は非常に問題が解きにくかったことでしょう。日頃から資料集などに目をとおし、図や表を眺めておく必要がありそうです。
理科の入試傾向
2023年度入試では平均点がグンと下がりました。正答率がすべて8割以下という状態です。語彙をたずねる問題もマイナーな語彙であったり、記述も文章作成に時間を要するような迷いの出る記述が多く、理科でいつも「計算分野は捨てて、他で取る!」と言っているような子たちに大きな影響を与えた試験になりました。計算問題自体はそれほど難しくなかったため、日頃から計算問題を捨てずにきちんととれるように対策をしていく必要があります。
英語の入試傾向
2023年度入試の英語は「総合的にきちんと読めているか」が判断される入試となりました。設問自体は難しくないのですが、それを解くためには長文読解がきちんとできているかが重要になり、そこで差がついたと思われます。英作文に関しても、出題された資料の内容を英語で表現する問題がでるなど、今までよりも使用する単語の数や種類が限定的で書きにくさがあったのではと思われます。
まとめ
2022年度、2023年度しか実施されていない500点満点入試ですが、出題の大まかな傾向としては「単純思考では解けない」問題が数多く出題されると言えると思います。もちろん基礎的な内容も出題されますが、上位の高校を狙うのであればいかに思考力を使った問題を多くこなし慣れていくか、というところも考えながら学習する必要がありますね!
高校入試についての基礎知識は「公立高校入試の仕組み①」「公立高校入試の仕組み②」を読んでみてくださいね!