こちらのページでは実際に北海道の高校入試がどのような仕組みで行われているのか知ることができます。
ただがむしゃらに勉強するだけではなく、相手を知ることで自分がすべきことが明確になります。スポーツの世界でもそうですよね。徹底的に相手を研究してどうやったら勝てるか考えますよね。入試も同じです。まずはきちんと仕組みを知ってから対策を練っていきましょう。
ランク決定の仕組み
まずはお馴染みの「ランク」からです。「ランク」は通称みたいなもので、実際には「内申点」という言葉で表していきます。この内申点の計算は以下の式で求められます。
①中1の3学期の成績の合計×2
②中2の3学期の成績の合計×2
③中3の3学期の成績の合計×3
ここまで出したら
①+②+③をするだけ!
成績の合計というのは1・2・3・4・5の数字をただ足し算するだけです。例えばオール4なら4を9回足すので合計は36になります。それを中1と中2はそれぞれ×2、中3は×3をして、それらを足して内申点を決めることになります。
ここで、今こちらのページをお読みいただいている方はまだ中3の3学期を迎えていないと思うんですよね。なので暫定の出し方をお伝えしますね。北海道学力コンクール(道コン)を受験するときなどにも必要になるので覚えておきましょう!
<中1の方>
中1の一番最新の9教科の成績の合計×7
ただし、まだ5科目しか出ていない人は、その平均を副教科として考えます。
例えば5科目が4,4,5,5,5だった場合、平均は23÷5=4.6となるので、副教科はすべて4.6であると仮定します。すると、23+(4.6×4科目)=41.4 となり、四捨五入して41となります。上の式にあてはめて計算すると内申点は41×7=287点となります。
また、二期生の1学期でまだ成績が出ていない場合、予測で出してみます。1学期に実施された単元テストが85%以上の得点率だった科目は5、70~84%は4、45~69%は3、10~44%は2、それ以下かテストを受けていない・授業に出ていないという人は1と考えて成績を概算でつけてみます。副教科は単元テストなどがないので、上の記載と同じく5科目の平均値をだし、それを利用して計算します。
<中2の方>
①中1の学年末の成績の合計×2
②中2の一番最新の9教科の成績の合計×5
①+②をするだけ!
ただし②の9教科の成績が出ていない場合は…
中1の学年末の成績×7 で良いです。
さらに1学期に5科目の成績だけ出ていて副教科の成績が出ていない場合は、副教科だけ中1の成績を利用します。
(中1の学年末の合計)×2 +(中2の5教科の合計+中1の学年末の副教科の合計)×5
というような計算になります。
これで一応暫定の内申点がでます。このまま同じ成績推移をたどるとその内申点で受験することになります。
内申ランクを確認しよう!
あと何点上がれば1つランクが上がるのか、確認してみましょう!中3の生徒で293点だったらBランクですが、あと3点でAランクです。中3は1つの成績が3点分なので(×3をするため)、1科目成績をあげればよいということになります。
以下の表は2023年度受験用の道コン資料をもとに当社の基準も加味して作成したものになります。合格者の平均ランクですが、ランクは地域性や学校判断基準等で大きく変わります。〇〇中ではCランクくらいの成績だったのが、◇◇中に来たらBランクになった!というような転校生の話も良く聞きますね。結局は当日の点数とのダブルジャッジとなるため、高校の部分は志望校をどこにするか迷われている方の参考程度にお考えくださいね。
合格者平均がAランクなのは:札幌南、札幌北、札幌西、札幌東、国際情報普通科
合格者平均がBランクなのは:札幌月寒、札幌旭丘、札幌新川、国際情報(国)、北広島
合格者平均がCランクなのは:札幌藻岩、札幌清田、札幌啓成、国際情報(グ)、札幌北陵、札幌手稲
合格者平均がDランクなのは:札幌平岸、札幌白石、国際情報(理)、石狩南、大麻、千歳
合格者平均がEランクなのは:札幌平岡、札幌厚別、札幌英藍、札幌稲雲、札幌東商業(流・国)、千歳
合格者平均がFランクなのは:札幌東陵、石狩翔陽、札幌西陵、恵庭北、札幌啓北商業、札幌東商業(情会)
合格者平均がGランクなのは:札幌南陵、札幌真栄、札幌丘珠、恵庭南、札幌琴似工業(電)、札幌工業(建・機)
合格者平均がHランクなのは:札幌大通、札幌白陵、札幌あすかぜ、北広島西、札幌琴似工業(環)、札幌工業(土・電)
合格者平均がIランクなのは:札幌東豊、当別、野幌、千歳北陽
当日点の仕組み
当日点は100点満点の5教科500点満点での勝負となります。北海道公立高校入試では10年間にわたって「学校裁量問題」という難しい問題を学校が採択する仕組みがありましたが、2022年度入試から廃止されており、どの高校を受けても同じ入試問題を解くことになります。
また、高校によっては学力検査日の翌日に面接を行うところもありますので、その対策も必要となります。
2023年の北海道公立高校入試学力検査日は3月2日(金)です
また、高校によっては傾斜配点を導入しているところがあります。例えば札幌北高校は英語と数学を2倍換算して点数に反映されるため、英語と数学が得意なのか不得意なのかで高校選びも変わってきますね。
合格者を決定する仕組み
まず各高校で「この中に入れば合格!」という枠組みが設定してあります。こんな感じの表ですね。当日点は20点刻みでランク付けされています。
まずはこの枠の中に入っているかどうかでガンガンふるい分けされます。およそ上位70%の生徒まではこのふるい分けで合格が決まります。
ではここの黄色い枠に入らなった生徒はどうなるのでしょうか?実はそれが残り30%の合格者の決め方となります。高校によって内申点重視枠と当日点重視枠というものがあります。
内申重視枠や当日点重視枠を利用した合格者選抜の際には500点満点の当日点を315点満点に圧縮します。内申点の最大値が315点なので、内申点と当日点が1:1になるように圧縮調整したあとで比率をかけ算します。
【例】札幌X高校の場合 【内申重視枠6:4、当日重視枠9:1】
例えば内申点294点、当日点400点の生徒が最初の選抜方法である70%勢の中に入れなかった場合、前述のとおり当日点を315点に圧縮してから比率をかけ、基準に達すれば合格することができます。
①400点×0.63=252点(これが315点満点に換算した当日点)
②当日重視枠だと…252×0.9+294×0.1=256.2点
③内申重視枠だと…294×0.6+252×0.4=277.2点
これが残り30%の枠のどこかに入っていれば合格となるわけです。
しかしこの比率は学校によって全く異なります。
まずは70%勢の中に入れるように内申も実力も両方つけて学習していくことが大切です。